音楽が好きだ。

歳の離れた姉の影響で、小1くらいで邦楽の所謂ニューミュージックやフォークを、そして小3くらいからは洋楽を聴いて育った。

最初に好きになったのは多分ミッシェル・ポルナレフ、それからモンキーズとビートルズ、ベイ・シティ・ローラーズあたりを経て、当時のアイドル本の見開き2ページの洋楽ページで見たKISSに一目惚れして、そのあとクイーン、ツェッペリン、チープ・トリック、そしてその後はパンク、ニューウェーブに、というのは多分当時の女子高生の王道コース(つまり当時の姉の王道コース、って事だけど)であったのだろう。

小学生の時、9つ上の姉に連れられて男友達の家に行った覚えがある。見たこともない立派なステレオがあって(自分の家には小さなレコードプレーヤーとモノラルのラジカセしかなかった)、その人にツェッペリンの「プレゼンス」というアルバムを聴かせてもらった時に、完全なるロック耳になった。ステレオの前で正座して、A面B面をぶっ通しで聴いて、心底やられた。
あれを一人でずっと聴いている間、姉と男友達が何をしてたのかな、とか今になると時々思ったりするのだけども、とにかく聴いてるときはそれどころではなかったのだ。


人の写真を見て、この人音楽好きだな、多分こんなジャンル、というのは写真を見て大体わかる気がする。音楽が聞こえてくる。そして自分はそういう写真が好きだ。
そういう写真こそがいいとか悪いとか、そういう意味ではなくて、自分がそんな育ち方をしたから、そういう反応をするというだけの事だ。山好きな人が、山岳写真に心惹かれる(多分)のと、同じ事だ。だけども、そういう琴線への触れ方が、一番心に響くように思うので、自分の写真もまた、音楽好きの人にとって、音楽が聞こえるようなものであって欲しいと、ちょいとばかし考える。

過去に何度か、音楽を聴きながら撮る、ということにトライしてみたが、これは全然ダメであった。やはり何も聴かず、心の中に鳴っているものに従って撮る、ということでないと、上手くいかないのだろう。そりゃそうだ。
一昔前にサンプリング用で、バーナード・パーディのドラムトラックだけのCDとかあったけど(持ってるんだけども。今もあるのかは知らん)あの辺を聴きながら、自分はトランペットでも吹くつもりで撮るというのも面白そうだけど・・・やっぱりダメだろうね。

この歳になってもまだカセットテープの編集なんかしながら、好きなものって変わんないんだなあと我ながら呆れつつ。