EYESIGHT/INSIGHT - Photography blog by Keisuke Takahashi

タグ:春



In the gleam of a brilliant twilight
I see people torn apart from each other
Maybe that's their way of life

Everyday, I ride in cars
Everyday, I watch TV
Everyday, I write my diary
Everyday, I go to sleep

"Perspective" - YMO, The song written by Ryuichi Sakamoto

これをリアルタイムで聴いたのは15歳の時。YMOの散開(解散)アルバムのラストナンバーで、当時札幌の道立産業共進会場に、姉に連れられラストツアーを観に行った。9つ上と7つ上の姉がいたのでまあ音楽的には早熟だったんですわ。小学校の図書室にモノラルのカセットレコーダー持っていってツェッペリン聴いてるような嫌なガキでした。

でこの曲。15歳にも響くメランコリックなコード進行に当時はやられていたわけですけど、今この歳になって聴くとそれ以上に歌詞が来る。泣きたくなる。
こんな素晴らしい夕焼けの中、自分が目にするのは沢山の別れ。それでも毎日の生活は続いていく、みたいな。
そしてそれを、決して歌が上手くはない坂本龍一自身が朴訥に歌う、それが物凄く沁み入る。

桜の時期だけど、桜もね、毎年咲くけどはかなく散って、毎年サヨナラ。なんか物凄く寂しくてね、花見して酒を飲むという行為に俺はちょっと乗っかりづらいんだけども、まあ、春はなんかね、寂しいけど、いいよ。

でも毎日の生活は続く。




年始から3月くらいにかけての期間が、割と嫌い。思い返すとだいたいテンション低い。今年は特にダメ。特に今月入ってからは何もやる気になれないし何を撮ってもいいと思えない。何でかな。理由がはっきりすりゃいいんだけど。

ただ、検索してみると季節性の鬱というものがあって春が断然多いみたいですな。「春うつ」なんて言葉もあった。自殺が多いのも春らしい。まあ俺だけでないってことだね。と言っても嬉しくも何ともないけども。

まあ書いたら少しは楽になるかしらと思って書いてみました。そんじゃまた。


引っ越してすぐ、家の近所に古本屋があることを知った。看板や店の雰囲気からして、まだ新しめの店。看板ロゴはアキバを感じさせる店名、字体。僕が入る感じの店ではないように感じ、ついぞ入ったことはなかった。小綺麗で、店主にとっては小さいながらも城のようなものであっただろう。

ほどなくしてお店は、休業が多くなった。
さらにしばらくの後、入り口に貼り紙が貼られた。曰く、店主ガンで治療中のため、しばらく休業しますとのこと。

そこは近所で通勤路だから、毎朝毎晩、休日の日中も、何度もそこの前を通った。けれども結局、お店が開いているところをその後一度も見ないうちに、貼り紙が変えられた。そこには、閉店いたします、と書かれていた。
誰の手にも取られることのない漫画本が山積みになっていた。

数日前、いつものように店の前を通ったとき、業者らしき人たちが店の中を見ていた。

そして今朝、いつもの道を自転車で通りながら、ショベルカーが建物を取り壊してるところを目にしたが一瞬、そこに何があったのか思い出せずにいた。その店だった。多分数日中には更地になるのだろう。

そんな風にして、人のいた痕跡は、きれいさっぱりなくなってしまうのだと感じていた。
桜は満開で、とても晴れた春の日、天気雨が降ってきた。

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