随分前に銀座に、アントン・コービン監督の『ディーン-君がいた瞬間(とき)』ていう、マグナムフォトのデニス・ストックとジェームズ・ディーンを描いた映画を観に行った時にちば映画祭のフライヤーを見かけていたので、催しのことは知っていて、でも行こうかなって感じでもなかったのですが、映画祭で初上映される杉田協士監督の作品に、先日僕の個展でもプリントでお世話になった、マッキナフォトの橋口店長が、なんと役者として出演されてるということで。これは行ってみようと。
そもそも映画については僕自身あんまり造詣が深くない。ホント音楽と写真以外の何にも関心を持たない人生。
そんな素人の感想ですから、って前提で率直に感想を書かせて頂きますけど。
結果から言うと、物凄くよかったんです。
その日は杉田監督の作品は短編映画が2本の上映だったのですが、2人の主役のそれぞれを描いていて。それぞれの短編に出てくる登場人物の緩くて、それでいて刹那的な繋がり。その繋がりは、それぞれの短編同士にも言えていて。そして観たあとに、心に何かを残していく感じ。
長編映画だと大体はっきりとした起承転結があるわけだから、観賞後心に残る印象というものは随分違うとおもうのだけど、短編映画、なんか、いいなあと。
1本目の冒頭、少し引いて傍観者的な目線からの結構長回しの場面から始まって、素人映画か?と思っちゃったんですけど(いや俺がド素人なんですけど。すみません)、見ているうちだんだんと吸い込まれていって、終わってみれば冒頭の長回しも自分なりに、意図が理解できたんですけども。
今後、さらに連作的な短編映画が2本続いて、4作構成になるらしいのですが、それらを通して観るとまた違う印象が生まれるんでしょうね。楽しみです。
で、何を感じたかというと、動画をやりたくなっちゃった(笑)
短編映画というのはなんとなく、テーマ写真の見せ方に似てるなあと感じて。
映画も写真と一緒で、基本は動く映像をつないでまとめるってだけで、何をどうまとめるかは自由なわけですけど、そこにパッ、パッと、写真的な印象のシーンを並べて、全体で印象を作り出す、というのは、正直アリだなあと感じて、ここ暫く撮影も編集も全てiPhoneで、トップにリンク置いたような動画を撮ってみてます。
まだまだ筋も何もあったものじゃないけど、そのうちちゃんとしたのを公開できたらいいなと思います。
で、橋口店長、『始発待つ光のなかでピーナツは未来の車みたいなかたち』って作品のみの出演だったのですけど、僕もお邪魔したことのある札幌のお店(僕が通った小中学校のすぐそばだったのですけど、つい先日移転してしまいました)で、恐らくペンタックスのフィルムカメラを分解修理してる場面からの登場で、何というか多分ほぼ素のままなんだと思いますけど笑、いや、格好良かったなあ。
マッキナフォトが出てくることからも察しはつくかと思いますけど、こちらの短編は札幌、そして小樽が舞台で、恐らく国道5号線を車で走ってくあたりとかいろいろ個人的に懐かしい場面もあり、そこもなんというか、刺さった。
何処かで見る機会があれば『反対になった電池が光らない理由だなんて思えなかった』、『始発待つ光のなかでピーナツは未来の車みたいなかたち』、是非ご覧くださいな。
あとマッキナフォト、引越されたのでお近くの人は是非、そちらも宜しくお願い致します。