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先のエントリーに書いた通り、去る3/1(土)に、ハルさんこと内野知樹氏の写真展「ほころぶ」を、四ツ谷にあるギャラリーRoonie 247にて鑑賞して参りまして、それから、というかその前からずっとわかってたことですが、改めて考えていたのは、所謂写真SNSの事なんです。
僕がメインで投稿してるFlickrもそうですし、Instagram、Tadaa、EyeEm、500px、最近だとOgglやVSCO Gridなどもありますけども、全てについて共通して言えることは「単発勝負」だということです。勝負って言い方も変ですけど、つまり、連作としての投稿が難しいって事です。そういう場での連投って割と嫌われる行為で、人によってはフォローとか外してきます。大体のSNSではタイムラインにフォローしてる人の写真が流れてくることになるわけで、そこに2、3枚ならまだしも、凄い勢いでひとりに連投されるとその人の写真でタイムラインが埋め尽くされちゃう。僕は個人的にフィードテロと読んでますけど(笑)。なので僕も、これはどうしても対でアップしたいというときを除いては基本、1日1枚くらいのペースでアップするようにしています。写真を厳選する目を養う、ってこともあるんですけども。
写真SNSのタイムラインにおいては、僕らは基本的にワンオプゼム、沢山流れてくる写真の作者群の1人にしかなり得ないんですね。それでも作風というか、そういうものが確立されてる人であれば、今日はどんなの投稿するのかな?と周りに期待される人もいるでしょうけど、それでもなかなか、その場所にいる限りは、そこを飛び出していち写真家として認知される人は少ないと思います。
Flickrには幸い、セットというものがあって、僕は日々ランダムに投稿した写真をセットに割り振ってます。単に年度で分けたセット、カメラの種類で分けたセットもありますし、ツーショットだけまとめたセット、モノクロだけのセット、ストリートフォトのセット、などなど。それでも、例えExplore入りして万単位のビューがあったとしても、わざわざセットまで見に来てくれる人ってのはほんの数人しかいません。それがSNSの限界なのかなと思います。と同時に、現代の写真の楽しまれ方というのはそういう形になってしまっている、ということでもあると思います。十把一絡げって事ですね。
なので僕が掲げているアホな(笑)目標、世界で有名な写真家になる、っていうのはこれはもう、現代では限りなくハードルが高いと僕は思ってるんですよね。この先FlickrでTOPになろうがPhotoVogueでTOPになろうが名前までは覚えてもらえないかもしれないし、もっとプラスアルファが必要な事なんだと認識してます。その上で、それでもひたすら追求してみたいと思ってるわけなんですけど。

で、そんな現代においての写真展、というのは、これはもう自身の写真作品を連作で、しかも個展であれば自分だけの世界を表現する場ということで、これは単純にまとめましたという話ではなくて、写真SNSに単発で公開するのとは完全に違った意味、違った行為であると思います。
ハルさんと知り合ったのは去年の高尾山登山が初めてだったので、前回の展示は見ていないのです。でちょっとググってみたら、今回は前回よりも写真の点数もサイズも絞り込んだ展示になるんですね。
前回の写真展が「武蔵野写真」というタイトルで、今回より写真のサイズも大きめで点数も多かった。そして今回は「ほころぶ」というタイトルで点数も少なめ、写真サイズも若干ながら小さめ。多分ハルさんの中では主軸は武蔵野にあって、今回のテーマはそこからのスピンアウトのような位置づけであるという表明なのかなと、勝手に解釈しました。
展示は素晴らしかったです。どう素晴らしかったというのは、ここで書くのは避けたいと思うんですけど、一つだけ言うならば軸がある、って事ですね。普段のブログから拝見してますけど、本当にブレがない。それが素晴らしいと思います。そしてこのような写真展という表現フォーマットにおいては、それがさらにストレートに伝わってきますよね。

余談ですが上述の僕のFlickrのセットに、Musashinoってのがあります。僕小平住人なんで、ハルさんと似たような方面結構撮っているのですよね。で、北海道生まれの僕としては、その失われた関東平野的なイメージとしての武蔵野というものに心惹かれるものがあり、ひところ追求したいテーマではあったのですが、その後ハルさんを知り、それ以上深く追求するのをやめました。この人以上に武蔵野追求出来ないなー、と思ったからなんですけどね(笑)そんな事も含めて、いい展示でした。来年も期待しています。

翻って考えるのは自分の展示なんですよね・・・僕は全くもって今回書かせて頂いたSNS文化から始まってる人なので、何か自分なりの展示方法というのがあるんじゃないかと考えているんですが、まだ妙案浮かばずです。これもまあ、今の目標に向かいながら、これからもじっくり考えていきたいです。